個人的な五度圏の覚え方

はじめに

 最近、yuta yoshimatsuさんによる音楽理論音楽理論のサイトSoundQuest音楽理論の再勉強をしているのですが、そこで久々に五度圏なるものを見ました。

 その時はせいぜい、C,F,Gとその平行調にあたるAm,Dm,Emにあたる調しか把握できなかったのですが、よくよく観察してみると個人的にしっくり来る覚え方を見つけたのでここにメモしておきます。(多分、しっくり来ない人も相当数居ると思われるので、参考程度に捉えてくれればと思います)

 前提知識としてはSoundQuestの準備編に書いてある内容を把握できていれば大丈夫かなと思います。


目次


五度圏のおさらい

f:id:SzShow:20200328192920j:plain
五度圏。外側が長調、内側が短調を示しています(配置が汚いのはご勘弁を……)。
 ここでは、五度圏を属調下属調平行調の結びつきをまとめた図」として捉えます。すると、ハ長調(C)の属調にあたるト長調(G)、下属調にあたるヘ長調(F)、平行調にあたるイ短調(Am)と、イ短調属調にあたるホ短調(Em)、下属調にあたるニ短調(Dm)までは覚えやすいのですが、それ以外がパッと出てこないのなんの……(これは僕自身、あまり頻繁に音楽やっていないからっていうのもあります)。

 ただ、最近になってこの五度圏を見つめ直してみると、個人的に結構しっくりくる法則性があることに気付きました。


属調属調に注目する

 その分かりやすい法則性というのが「ある調の属調属調は、その調の上主音を主音とする調となる」という法則です。

 一般的に述べる為にちょっぴり難しい言い回しをしてしまいましたが、要するに五度圏上で"C"の2つ右隣が"D"となっていて、更にその2つ右隣が"E"となっているという事を言っています。

f:id:SzShow:20200328193229j:plain

 これの証明は簡単にできます。ある調の属調の主音は元の調の主音から数えて5度で、更に属調属調の主音は元の調の主音から数えて9度(10度としてしまうと、1つ目の属調の主音を2回数えたことになってしまうことに注意してください)となるので、1オクターブ(=7音)で割ると2度となり、2つ隣の属調の主音が元々の調の上主音となることが示されます。

f:id:SzShow:20200328194014j:plain
上記の法則性の証明をハ長調の場合で示した例

半音の移動に用心

 ただ、見れば分かる通り、途中から#やbが付くようになっているので、その規則性についても明確化するためにある1文を補足として入れます。これも答えから言うと、「ある調と、その調の属調属調のそれぞれの主音は必ず全音の関係にある 」

 これは長調短調の両方における主音と上主音の関係から自明なのですが、この補足を意識するとどこでbが付くようになるのかがハッキリと分かるようになります。それが、Eの右2つ隣とCの左2つ隣です。実際にピアノの鍵盤を見ると、FはEの一つ右隣で、BはCの一つ左隣なため(半音の関係)に、五度圏から見てそれら2つがEおよびCの2つ隣の関係になることはありえないことが分かります。

f:id:SzShow:20200328195205j:plain

まとめ

 最後にポイントをまとめておきます。

  • 五度圏における2つ隣は元々の調の主音から全音分離れる
  • bと#が付くタイミングに注意(EやBの2つ右隣、CとFの2つ左隣)